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自覚夢、覚醒夢ともいう。夢を見ていることを自覚して見る夢。夢の世界で起きることに自覚的になることにより、人の意識は変容していくのだろうか?
変性意識の一種。肉体からの強い分離感を伴い、肉体とは異なる身体を使って、物理的な現実とは異なる(霊的な)世界で活動することを言う。
人間をはじめとする生物が暮らす物質的な世界。
太郎たちが暮らす水天町では、太郎たちが現実世界で目にすることのない、さまざまな変化が起きている。その真実を、彼らは魂(たま)抜けを行うことで知り始める。
実存主義における亡霊。
県道沿いの閉鎖されたパチンコ店に、出るという亡霊の噂。何でも、建物から顔のない影男が出て、路上を走るトラックに撥ねられるという。
そんな噂を耳にした匡幸は、太郎、信を誘って、噂の解明に乗り出す。
11年前、水天町で起こった8歳と3歳の姉と弟が誘拐された事件。太郎、信、匡幸は、この事件をきっかけにして知り合う。
太郎は、事件の被害者であり、姉・瑞香はこの事件を契機に命を失う。信の父親は、この事件の直後に自殺している。この事件とは関係ないとされているが、信自身は、「もしかして父がこの事件に関係していたのでは?」と疑念を抱いている。東京の中学から水天町に転校してきた匡幸は、この事件に興味を持ち、独自に調べはじめる。
一応の解決を見た11年前の事件は、被害者家族だけでなく、昔ながらの日本の面影を残す水天町に大きな影を落とした。
酒蔵で祀られる、いわゆる“酒造りの神様”のこと。
明治期より、水天町に造られた古い酒蔵所・古森酒造。そこでは、若い女性の杜氏(日本酒の醸造を行う際の責任者)、瘧師 慧(やくし けい)が玄米酒の仕込みをしている。
ぼーっとして、ふと我に返ったとき、その間、何を思い、何を考えていたのか、よく思い出せないことがある。心理学的には、この状態を心が解離している状態という。心の解離が進むと、自己の意識、知覚、記憶にまとまりがなくなり、病的な現象が出現してくる。
たとえば、何をしていたのか思い出すことができない空白の時間(解離性健忘)や本来の自分以外の人格(多重人格)が表出する。また、心が解離しているとき、以下のようなことが起こる場合もある。
・アイデンティティの変化
・普段では見られない行動が見られる
・声色が変わる
・何かに操られているかのような動作が見られる
・記憶の喪失
周囲の目には、あたかも何かが乗り移った、憑依したように思われる。
太郎たちは、自分の意識で自在に魂(たま)抜けすることが、可能になる。それは、いわば憑依とは別のプロセスを経ているのかもしれない。
人の脳には、約1000億の神経細胞(ニューロン)があるとされる。シナプスは、その神経細胞同士間の結合している部分(伝達部)。シナプスを走る電気信号の閃きが、われわれの記憶や思考、知覚に関与している。
久間田の病院で、太郎は脳内のCTスキャンとMRI検査を受け、自身の脳内映像を見る。その映像を見た太郎は、魂(たま)抜けしたとき目にした、何かを思い起こす。
地面を掘って造った用水路のこと。福岡県柳川市の堀割は有名。
水天町の隣町、水郷・久間田には、大小無数の掘割が縦横に走る。水の都・ベニスを思わせ、堀には、観光客向けの川下りの舟が浮かぶ。
「なんか辺境に来ちまった、みてーな感じだよな……」とは、この地をはじめて訪ねたときの匡幸の言葉。
脳のなかのホムンクルス。
太郎たちのクラスで授業中放映された、科学映画で紹介されたワイルダー・ペンフィールド。カナダの脳外科医・神経生理学者である。てんかん患者の手術部位の決定に際し、ヒトの大脳皮質を電気刺激し、脳内の感覚と、体の各部位との対応関係をまとめた。そのデータに基づき作成された図を、ペンフィールドのホムンクルスと呼ぶ。
太郎は、この図に既視感を覚えるが、はたして魂(たま)抜けすることと、関係があるのだろうか?
Thought Field Therapy の略。思考場療法。
アメリカの精神科医・ロジャー.キャラハンが、針灸のツボを頭部から順に指で叩くことによって、薬や一般的な心理療法では効果が現れなかった対人恐怖症、各種依存症、トラウマ、パニック発作などの症状の改善が可能であることを発見し、提唱した療法。
太郎の P.T.S.D. の治療を行うため、水天町に通う平田篤司は、E.M.D.R. のほかT.F.T. を実践する。平田自身、眉間を叩く癖があるが、T.F.T. と関係があるのだろうか?
Eye Movement Desensitization and Reprocessing の略。「眼球運動による脱感作と再処理」と訳される。
P.T.S.D. (Post Traumatic Stress Disorder:外傷後ストレス障害)に対して、最も効果的と言われ、近年、注目されている治療方法のこと。
1989年、フランシーン・シャピロ(臨床心理学者)が発表して以来、アメリカを中心に注目を集め、今日までに全世界で4万人以上の心の専門家(精神科医、臨床心理士など)がこの方法のトレーニングを受けている。
P.T.S.D. とは、強い情緒的衝撃を伴うような出来事(天災、交通事故、暴行、虐待など)を経験した後、その出来事について、ついつい考えてしまう、悪夢にうなされ睡眠が妨げられる、恐怖感・不安感などに悩まされる、といった日常生活のうえで、さまざまな支障が出る状態のこと。
水天町幼児姉弟誘拐事件の被害者である太郎は、その事件をきっかけに P.T.S.D. を抱え持つ。そんな太郎のもとを訪れ、E.M.D.R. によるカウンセリングを行うのが、東京の大学の臨床心理士・平田篤司。
E.M.D.R. は、患者に外傷的な出来事(P.T.S.D. の原因)を考えてもらいながら、患者の眼の前で指を一定の速度で動かし、それを眼で追いかけてもらうといったかたちで実践される。眼球運動は脳を直接的に刺激し、脳が本来もっている情報処理のプロセスを活性化できるとされる。
東京から太郎のもとにカウンセリングに通う平田には、何か別な目的があるのだろうか?
1966年から1967年にかけて、アメリカ・ウエストバージニア州ポイント・プレザントで目撃が多発した謎の未確認動物(UMA)の事件。
モスマンは体長約2m、毛むくじゃらの体に翼を持ち、異様に大きな赤い目が特徴である。腕はなく、背中に大きな翼を持つ。目撃の多くは夜で、突然茂みから現れて、人間のほうに近づいてくる。驚いた人間が逃げようとして車を走らせると、翼を広げて飛翔し、奇声を発して車を追いかける。
モスマンの目撃と同時期にUFOの目撃事件も連続したため、UFOが連れて来たエイリアン・アニマルと考える学者もいる。
本作には直接の関係はないが、奇怪な事件が周囲に与える恐怖、不安感は、本作のコンセプトに通ずるところがある。
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