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神霊狩/GHOST HOUND
Production I.G×士郎正宗が放つスピリチュアルアニメーション
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神霊狩/GHOST HOUND アニメ

「第20回東京国際映画祭 animecs TIFF」
『神霊狩/GHOST HOUND』舞台挨拶レポート



2007年10月27日(土)、六本木ヒルズTOHOシネマズ2にて、『神霊狩/GHOST HOUND』 FOCUS:01「Lucid Dream」〜FOCUS:03「Phobia Exposure」の上映会が行われました。当日は関東地方を直撃した台風20号に見舞われる悪天候でしたが、会場はたくさんのお客さまで埋まり、好評のもと上映が行われました。
上映終了後、本作の脚本・シリーズ構成の小中千昭さん、中嶋匡幸役 福山潤さん、駒玖珠都役 矢島晶子さん、エンディングテーマ「Call My Name〜風鳴りの丘〜」を担当するYuccaさんが登壇し、制作秘話や本作への感想を寄せてくれました。当日の模様をお届けいたします。



小中千昭氏 福山潤氏 矢島晶子さん Yuccaさん
写真左から、『神霊狩/GHOST HOUND』脚本・シリーズ構成の小中千昭さん、中嶋匡幸役 福山潤さん、駒玖珠都役 矢島晶子さん、エンディングテーマ「Call My Name〜風鳴りの丘〜」担当のYuccaさん。福山さんの衣装に登壇者の緊張もほぐれ、和やかな舞台挨拶となった。




士郎正宗氏の設定からイマジネーションを膨らませた中村&小中コンビ

――まずは、みなさまひとことずつご挨拶いただけますでしょうか?

小中千昭(以下、小中) はじめまして。本作の脚本・シリーズ構成を担当しています、小中千昭です。今日は、中村隆太郎監督をはじめ、スタッフを代表して出席させていただきました。

福山潤(以下、福山) すごく緊張したステージになるかと思っていたのですが、何かざっくばらんな雰囲気で。中嶋匡幸役 福山潤です。よろしくお願い申しあげます。

矢島晶子(以下、矢島) ざっくばらんなのは、あなたの格好です! すいません、ひとこと言わせていただきました。駒玖珠都役 矢島晶子です。本日は、よろしくお願いいたします。

Yucca エンディングテーマ「Call My Name〜風鳴りの丘〜」を歌わせていただいています、Yuccaと申します。よろしくお願いします。


 
小中千昭
 
「みなさんがイメージする士郎さんの作品ぽくないものを、中村隆太郎監督が受けまして。で、私のところに話が来たという流れです」
(小中千昭)



 
「僕だったらこうやるな、という独断はありますが、『ちゃらい』感じでキャラクターを構築させていただいたら、ある意味何も言われなかったので、いいのかなと思いながら、演じています」
(福山潤)
 
福山潤



 
Yucca
 
「まず、ストーリーを分かっていないと、歌うときのイメージが違ってくるので、慎重に音を作っていきました」
(Yucca)



――小中さんにお伺いします。本作の成り立ちについて教えていただけますか?

小中 最初に、士郎正宗さんが Production I.G さんと一緒に原案というかたちで、2本企画を練られまして。本作はそのうちの1本です。みなさんがイメージする士郎さんの作品ぽくないものを、中村隆太郎監督が受けまして。で、私のところに話が来たという流れです。


――士郎正宗さんの作品といえば、サイバーパンク、電脳空間に代表されるわけですが、『神霊狩/GHOST HOUND』は、日本のいわゆる田舎を舞台にしています。

小中 架空ではありますが、イメージとしては、福岡の山あいの土地を舞台にしています。


――確かに、そういった場所を舞台とした士郎正宗作品は、想像がつかないところです。中村監督と小中さんは、まずどんなところからお話を進められたのでしょうか?

小中 士郎さんの原案が、プロットまでいっていない、ほとんど設定に近いものだったんです。原案では高校生でしたが、3人の男の子が幽体離脱をするというところまでで。正直なところ、それぐらいしかなかったんですね。


――原案といっても、すごく大枠ですね。

小中 ええ。ですので、例えばホラーに振ることもできますし、オカルトの方向にも持っていける。アドベンチャーにすることもできます。そんななか、僕と(中村)隆太郎さんが作ると、どんどん変な方向に曲がっていっているというのが現状です(笑)。



小中千昭氏 福山潤氏 矢島晶子さん Yuccaさん 小中千昭氏 福山潤氏 矢島晶子さん Yuccaさん
架空の福岡の山あいの土地を舞台にした『神霊狩/GHOST HOUND』。「なんか、段々、落ちよるごたるん」「関係なかよ」などキャスト陣の台詞のなかには、随所に方言が入っている。方言が作品の世界観を彩る一つの要素となり、うまく機能している。




福山潤さんの当たり役!?無理なく演じられる中嶋匡幸

――確かに、作品を拝見していると非常に落ち着かない雰囲気を感じます。本作では主人公となるキャラクターがたくさん登場して、福山さんが演じられる中嶋匡幸には、正直、ちょっと嫌な奴という印象もあるのですが……。

福山 ご覧になる方はそうかもしれませんが、演じている側としては、すごく面白いです。たとえば「さわやかに、いい人で」と言われてしまうと、逆にプレッシャーを感じてしまいます。「嫌な奴にしてもいいよ」と言われると、どんどん楽しくなって(笑)。


――もしかして、制作サイドからは、福山さんに「嫌な奴を演じてください」という指示があったのでしょうか?

福山 それはなかったですね。オーディションで役をいただいたので、ベースはオーディションで演じたときのままです。ただ、オーディションのときから、思いっきりやってほしい、と言われていました。

FOCUS:01〜03を演じていくなかで、「ちゃらいね」と言われて。いま、現場のアフレコの方はだいぶ話が進んでいるのですが、匡幸にはいろいろと変化がありまして、つい先日は「もっとちゃらく」と言われました。で、その通りに演じてみると「それは挑発だろう」と。そんな感じの現場です。


――では、福山さんのなかで、今回の匡幸を演じるにあたってのキーワードは、「ちゃらい」なのでしょうか?

福山 僕は、「ちゃらい」つもりはないのですが……。


――でも、お客さんのほうからは、「えー」っという声が聞こえたような……。

矢島 「はい。」って確かに聞こえました。

福山 僕自身は、こういった行動をするキャラクターだったら、たぶんこんな感じだろう、と勝手なイメージを作って演じています。僕だったらこうやるな、という独断はありますが、「ちゃらい」感じでキャラクターを構築させていただいたら、ある意味何も言われなかったので、いいのかなと思いながら。

正直、物語のなかで浮いているかも、と思っていたのですが、FOCUS:01の完成映像を拝見させていただくと、思っていたよりも浮いていなくて安心しました。


――福山さんのお話を聞いていると、どうしてもストレートに聞いてみたくなってきました。もしかして、中嶋匡幸と、福山さんは似ているのでしょうか?

福山 性格に関していえば、本当にナイーブなところしか似ていませんね。

矢島 みんな笑ってますよ。

福山 まだFOCUS:03じゃないですか? これからご覧になっていただければ、彼の真価が発揮されていきます。

キャラクターの設定画で、いくつかの表情パターンを、初めて事務所のスタッフと一緒に拝見させていただいたとき、ちょうど匡幸がヘラっと笑った表情があったんです。事務所のスタッフに、髪型や目つきがとてもよく似ているね、と言われて。

それで台本を読むと、あーと思うところがあり、それから、いろいろとぴったりだね、とか言われて。僕としては「そうか、なるほど。こういう風に見られがちなんだな」と思う部分が多々あります。でも、まあ、その辺りはあくまで演技なので。



中嶋匡幸

中嶋匡幸
中嶋匡幸は東京からの転校生。そのため、独特の方言も台詞にはない。その点も、福山さんが匡幸を演じやすい理由なのかもしれない。




本物の若者と作り込んだ小学生との共演

――では、矢島さんにお伺いいたします。今回の駒玖珠都は非常に年齢の低い役ですね。

矢島 年齢の低い役は多いのですが、今回、主役の古森太郎を演じる小野賢章さんが本物の若者なんです。そんな方を相手に、さらに年齢の低い役を演じることに、ものすごくプレッシャーを感じています。


――プレッシャーですか?

矢島 ええ。何と言っても、向こうは本物の若者ですから、ナチュラルなんですね。こちらは、ウン10年生きてきて、かなり作り込んだ小学生なので。ちょっとその辺が難しいなと思っています。でも、とっても良い経験をさせていただいています。


――今回のキャラクターを演じるにあたって、特に気をつけられた点などありましたら、教えていただけますか?

矢島 まだFOCUS:01〜03では、都の普通の学校生活がそんなにたくさん登場していないと思います。いつもお父さんや、太郎たち少年たちに素っ気ない態度をとっていて、感じの悪い小学生? というイメージを持たれるかもしれません。でも、それには、いろいろと理由があるんです。

学校のクラスのみんなと一緒に話すときは、ごくごく普通の小学生の女の子なので、その辺り、勘違いされないよう……頑張って演じ分けたいと思っています。
何か、小中さんが笑っていらっしゃるのですが、マイクを渡しても良いですか?

小中 矢島さんは……。

矢島 はい。何でしょう? まさか、こんな公の場でダメ出し?

小中 ダメ出しというより、矢島さんといえば、みなさんご存じの通り、ものすごく声の幅が広い方です。

矢島 いえ、ここと、ここくらいまでしかないですよ。

小中 ときどき都より……例えばFOCUS:05あたりで、「あれ、ちょっと矢島さん、今日、年齢高いかな」と、音響監督の鶴岡(陽太)さんに言われることがあって。

矢島 あっ、はい。

小中 それですぐに(都の年齢に)戻るのですが、その辺りを拝見していると、これだけすごい役者さんでも、そんなことがあるんだなって再認識させられます。

矢島 いやー、日常がおじさんなんですね。おばさんじゃなくて、おじさんなんです。


――さきほどのアフレコのエピソードで、思わず矢島さんの声が年齢より高くなってしまった原因は、どういったところからなんでしょうか?

小中 要するに、都の芝居がちょっと大人っぽいんです。年齢よりも。
だからナチュラルにパッと演じられると、ちょっと違和感がある、というか。そのぐらいです。


――簡単に言えばFOCUS:03まで、ご覧になったみなさんはお分かりいただけると思いますが、どちらかといえばダークホラーな雰囲気の作品で、今日の矢島さんや福山さんのように、コメディに走ってしまいがちだからなのでしょうか?

矢島 (福山さんと)一緒にしないでください(笑)。

福山 ただ、『神霊狩/GHOST HOUND』をFOCUS:03までご覧になればお分かりになると思いますが、ちゃんとクスリとできる要素が入っています。薬じゃなくて、クスリと微笑んだり、和んだりできる要素がね。



駒玖珠都

駒玖珠都
ミステリアスな小学生、駒玖珠都。FOCUS:01「Lucid Dream」では、空を飛ぶ夢を見ている太郎と視線を交わすシーンが描かれている。今後、太郎と都は、どう関わっていくのだろうか?




作品の世界観にぴったり合った歌声

――今回、ムーディで、ちょっと怖い雰囲気のあるエンディングテーマを歌っていらっしゃるYuccaさんにお伺いいたします。作品の雰囲気にぴったりだと思いますが、ご自分でご覧になっていかがですか?

Yucca このお話をいただき、あらすじを拝見させていただいて、こういう雰囲気で曲を作ってくださいとお願いされたので、ミステリアスで、奥に何か秘めたような歌い方を心がけました。


――今回、Yuccaさんのエンディングテーマに決定するまで、スタッフサイドでも、いろいろとお話があったと伺っています。

小中 いろんなアーティストの曲を聞かせていただいて、(中村)隆太郎さんがYuccaさんの声がすごく良いということでした。中村監督はオープニング、エンディングの演出がすごく好きな方なので、たぶんYuccaさんの声で、画面を作りたいと思ったんだと思います。


――Yuccaさん自身は、これまでにCMソングやサラ・ブライトマンさんのバックで歌ったこともあるかと思います。こういったアニメーションのお仕事はいかがですか? ほかの仕事と、変わった雰囲気や違いなどはありますか?

Yucca アニメーションのエンディングテーマのお仕事は、初めてです。やはり、自分のコンサートなどで、好きな曲を歌うのとは違いますね。
アニメーションの場合、物語があって、そのあとのエンディングテーマです。まず、ストーリーを分かっていないと、歌うときのイメージが違ってくるので、慎重に音を作っていきました。


――そして、今日、出演キャストのみなさんとお会いするのは初めてと伺ったのですが、福山さんをご覧になって、どんな印象ですか?

Yucca いでたちが、すごいですね。

福山 何で、俺がいじられキャラなんですか(笑)?


――いえ、その服装は自前だそうなので。お伺いした方がよいかな、と思いまして。

Yucca ネクタイもご自分で作ったんですか?

福山 そうですね。自分で結んで。よく器用貧乏と……あ、そういうことではなくて。結構、常日頃、変な格好をしているので、今日は東京国際映画祭なのでビシっと気合を入れてきたら、こんな格好をしているのは僕だけでした(笑)。



Production I.G 20周年記念作品の名にふさわしいCGと手描きが融合した画面

――最後にみなさんから、ひとことずつお伺いできますか? では、Yuccaさんからお願いいたします。

Yucca 今日、初めて本編を拝見したのですが、ストーリー性があって、すごくミステリアスで。これから楽しみに拝見していきたい、奥の深いアニメだと思いました。

矢島 タイトルだけだと、ちょっと怖いのかなと思って。それこそ、スタジオに盛り塩とかしてあるのかな、と心配していました。

でも、そういった感じの内容ではなく、ごくごく普通の町で起こりうることを中心にお話が進んでいきます。そのなかで、いろんな人間関係を垣間見ることができます。

全体的な内容としては、タイトルとちょっとかけ離れているのかもしれません。すごく良い感じの雰囲気を持った作品だと思います。あまりタイトルでびっくりしないで、キャラクターたちのこれからをご覧になっていただければと思います。

福山 FOCUS:01〜03までを、ご覧いただいたみなさんはお分かりだと思いますが、FOCUS:03の終わり方だと、この続きが気にならない方はいないんじゃないかと思います。ぜひとも、FOCUS:04をご覧になっていただきたいです。

FOCUS:04は、これまでのFOCUS:01〜03の雰囲気でご覧になると、間違いなく度肝を抜かれると思います。毎週アフレコを行っていますが、次の内容はどうなるのだろう、と楽しみにしています。
毎回、驚かされ、この先どうなっていくのかな、という期待感にあおられながら、収録しています。

内容は、FOCUS:01〜FOCUS:03までは、すごく重かったり、もしくは普段慣れ親しんでいない脳神経学用語や、心のトラウマ、P.T.S.D.といったことが描かれています。でも、こういったものを通して、人と人とのつながりを描こうとしていると思います。

アフレコの方は、もう少し先まで進んでいるので、僕たちはお話の内容を知っているわけですが、本当に面白いです。先ほど矢島さんもおっしゃっていらっしゃいましたが、僕も『神霊狩/GHOST HOUND』というタイトルから受けるイメージとは、現段階では、ちょっと異なっている気がしています。

もちろん、これまでに収録した部分でも、タイトル通りだと感じるところもあります。ぜひみなさんに楽しくご覧いただいて、いろいろと考えていただければと思います。みなさま、これから本当に楽しんでご覧になってください。



小中千昭氏 福山潤氏 矢島晶子さん Yuccaさん
登壇者同士で肩を組んでのフォトセッションも行われた。照れながらも、制作陣のチームワークの良さが伝わってくる1枚だ。




小中 みなさんのご挨拶で、ほとんど全てお話しいただきました。僕の方からは、特に何も言うことはないのですが(笑)。

矢島さんの都というキャラクターは、まだ収録していないところで波乱があります。特に、太郎君と何かが……。福山くんの匡幸は、あんなことやこんなことになって、女性のファンにはドン引かれるかもしれません。申し訳ないなと思っています。
とはいえ、演技的には面白いキャラクターなので、楽しみにご覧いただければと思います。

Yuccaさんの歌うエンディングは、どうしてもクレジットロールの方に目が行ってしまうかもしれません。だんだん見慣れてきたら、左のアニメーションの方をぜひご覧いただければと思います。

太郎くんと瑞香姉さんの場面が流れているのですが、すごく良い感じのフィルムになっています。それとトロンとこぼれ落ちる水滴。一応、お酒をイメージしています。もしかすると、CGと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はあれは手描きです。 ちなみに言うと、FOCUS:03の、人がトラックにバンとはねられるとき、いきなり立方体になると思います。こちらも手描きです。アナログとデジタルが融合した、すばらしい画面作りが行われているので、そういったところもぜひご覧いただければと存じます。


――みなさん、本日はどうもありがとうございました。






『神霊狩/GHOST HOUND』FOCUS:01〜FOCUS:03
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