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9月9日(日)13時30分より、スペースFS汐留(東京都)にて、「『神霊狩/GHOST HOUND』FOCUS:01&FOCUS:02+『EX MACHINA-エクスマキナ-』最新映像上映会」が行われました。
当日は、上映会のほか、Production I.G 代表取締役社長・石川光久氏、『EX MACHINA-エクスマキナ-』監督の荒牧伸志氏によるトークショウが行われました。当日の模様をお届けいたします。
――本日は、『神霊狩/GHOST HOUND』の制作陣を代表いたしましてProduction I.G 代表取締役社長・石川光久さんと、『EX MACHINA-エクスマキナ-』監督、荒牧伸志さんにお越しいただきました。まずは、お二人にご挨拶をお願いできますでしょうか? 石川光久(以下、石川) 以前、当社の『立喰師列伝』の試写をこちらで行わせていただき、すごく縁起のいい場所で、光栄に思っています。今日はよろしくお願いします。 荒牧伸志(以下、荒牧) 『EX MACHINA-エクスマキナ-』監督の荒牧です。今日は、たくさん集まっていただいて、ありがとうございます。 今日のために、特別に映像をご用意いたしましたので、楽しんでいってください。よろしくお願いします。 ――先ほど予告をご覧いただいたのですが、10月18日(木)からWOWOWにて、放送が開始されるのが『神霊狩/GHOST HOUND』。そして、その2日後、10月20日(土)より全国の劇場での公開が開始されるのが『EX MACHINA-エクスマキナ-』。 偶然かもしれませんが、同じ士郎正宗氏の原作あるいは原案の作品が、形を変えてテレビと映画でほぼ同時に見られるわけですね。 荒牧 まったくの偶然なんですね。僕も『神霊狩/GHOST HOUND』のことは知らなかったので。 石川 『REIDEEN』のメカデザインを荒牧さんにお願いしていましたが、手がけている作品について話し合うことはなかったんですよ。
――そんな偶然、同じ時期に放送、もしくは公開される両作品と、士郎正宗さんとの関係を見ながら、トークを行っていきたいと思います。 まず『EX MACHINA-エクスマキナ-』の方は、『APPLESEED』という映画があり、また、原作もありました。そういった意味で、士郎正宗さんは、原作として関わっていらっしゃるという認識でよいですか? 荒牧 そうですね。念のため説明しておきますと『EX MACHINA-エクスマキナ-』というタイトルですが、原作は当然『APPLESEED』です。 士郎さんにもご協力いただいているのですが、新しく制作したので、タイトルも刷新して『EX MACHINA-エクスマキナ-』としました。 ――『神霊狩/GHOST HOUND』は、原案という形で、士郎さんにご参加いただいているんですね。 石川 そうですね。士郎さんとは1995年に押井 守監督の『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』で映画化して、その後、神山健治監督にテレビシリーズとして制作していただきました。実写の方も代理店というかたちで、I.G が絡ませていただいています。 そういう意味では、攻殻つながりでご一緒させていただいています。実は『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』シリーズのセカンドシーズンが終わったとき、士郎さんとお話をしたところ、士郎さんにもっとアニメーターさんが暴れられる作品を一緒に作ったらいいんじゃないか、という提案を受けまして。それで、原案としてご参加いただいた、という言う方の方が自然なのかな、と。 ――もう一つ気になるのは、この作品は Production I.G の20周年記念作品なんですね。 石川 20周年で節目の年ではあるのですが、20周年といっても、逆にいえば、過去を振り返らない、今作っている、これから作る作品にすべての情熱と、スタッフの労力を傾ける。前を向いて歩こうという意味で、20周年の節目にちょうど士郎正宗さんと I.G の関係をより深くし、その延長線で本作が自然に生まれてきたんだと思います。 ――チャレンジしている部分も大きい作品ですね。『EX MACHINA-エクスマキナ-』の方は、みなさんお聞きおよびだと思いますが、『男たちの挽歌』などで有名なジョン・ウーさんが関わっていらっしゃいます。すごくびっくりしたんですが、具体的にはどんなかたちで参加されたんですか? 荒牧 僕も最初、みなさんと一緒でびっくりしました。それで、どこに具体的に関わられるのだろうと思っていました。実際、制作がスタートすると、シナリオのプロット段階から関わっていただいて、かなりご意見をいただきました。 絵コンテに対しても、直接こうしたらいいのではないか、とそれこそひざを突き合わせて、丸3日ぐらい話し合ったり。そういった意味で、非常に彼の想いが込められた作品に仕上がっていると思います。また、彼はすごく気を遣うというか、最終的に決断するのは監督で、それは君の役割だからと言ってくれて、非常にやりやすく、面白かったですね。 ――それぞれの作品世界についもお話をお伺いしたいと思います。我々が考えている士郎正宗作品といいますと『EX MACHINA-エクスマキナ-』の世界観の方が近いのですが、『神霊狩/GHOST HOUND』は、山の中にある町が舞台だそうですね。 石川 そうですね。これは、士郎さんの世界観とキャラクター設定のプロットを軸に、本作の脚本、シリーズ構成を担当されている小中千昭さんが膨らましてくれたんです。 これから映像をご覧いただくみなさんには、ちょっとネタバレになるのかもしれませんが、劇中の世界観は、北九州の山村をモデルにしているんです。もちろん、別に士郎正宗さんが北九州にしてほしい、とおっしゃったわけではありません。 でも、士郎さんの原案をベースにスタッフが調べていたら、北九州に行き着いたんですね。これは、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』の世界観を決めたときと、似ているんです。 押井監督が、香港やアジアのある都市を舞台にして、日本に限定しなかった。それは、士郎さんの世界観や原案、キャラクター設定をベースに膨らませていった結果なんですね。その過程で、今回は北九州の村というか町に限定して作品の舞台としました。
――『EX MACHINA-エクスマキナ-』は、前作の『APPLESEED』と同じ世界観と考えていいですか?荒牧 そうですね。ベースは『APPLESEED』なので。ただ今回は時間もありましたし、いろいろと状況も良くなっていたので。デザイン的には、より士郎さんテイストに近づけてみました。「オリュンポス」はギリシャ神話をベースとしているので、それをなんとか未来都市の要素として入れられないか、デザイン的にはいろいろとチャレンジしています。 具体的には、細かいところまで描写しているというか。 『APPLESEED』でも、かなり頑張ったのですが、やはり前作と同じものではお客さんに満足してもらえないだろうと思いまして。士郎さんの持つデザイン的なセンスを、もっと何とか盛り込めないものかと思い、やれるだけのことをやったのが、『EX MACHINA-エクスマキナ-』です。 ――また士郎正宗作品というと、どうしても大人なイメージがあるのですが、『神霊狩/GHOST HOUND』は子どもたちが冒険するという作品になっています。 石川 ええ。士郎さんの最初の原案では、実は高校生だったんです。でも、中村(隆太郎)監督と小中さんのなかで、もっとピュアな人物を描いていこうということで高校生の男性3人を中学生に変えて。あと、都というキャラクターを、岡(真里子)さんがかわいいキャラクターに描いてくれて。 この辺はこれまでの I.G にはなかったキャラクターなので、ちょっと期待していただければと思います。 ――ここも一つのチャレンジなわけですね。かつ、本作は舞台が未来でも過去でもなく、現在なんですよね。主人公の太郎のカセットテープに書き込む日付が、2007年9月なんです。まさに今ありそうなお話になっています。 石川 これは『攻殻』とも同じなんですが、士郎さんもスタッフも、まず現代をきちんと描かないと、未来は描けないわけです。それは過去も一緒ですね。(描くとき気をつける)基本は一緒なんです。 ――『EX MACHINA-エクスマキナ-』の方ですが、こちらは主人公は大人です。今回、見慣れない方がいるのですが、荒牧監督、ご紹介いただけますでしょうか? 荒牧 彼はテレウスといってですね、バイオロイドなんです。クローン人間ではないのですが、人工的に遺伝子を操作されて作られた人間なんです。 実はブリアレオスというサイボーグの男がいるのですが、彼とほとんど同じ遺伝子で作られてます。だから、ブリアレオスがサイボーグになる前の姿を持っている。 ――ということは、デュナンとブリアレオスはずっとコンビを組んでいますが、ブリアレオスがあの姿になってしまう前と関係があるのでしょうか? 荒牧 そうですね。昔のブリアレオスがここにいて、今のブリアレオスもここにいると。 ――ということは、必然的に今回の物語はそこが肝に。 荒牧 そういう関係を描けると、非常にこう面白いものになると思いまして。サイボーグとバイオロイド、そして人間という不思議な三角関係ができるのではないかと。 ――『EX MACHINA-エクスマキナ-』は、ジャンルとしてアクションロマンとされています。 荒牧 ジョン・ウーさんが、そうおっしゃっていたんですね。彼によると、アクションはロマンだと。彼が手がけた映画をご覧になっていただくとわかるのですが、ハードなアクションではあるのですが、そのなかに情感が込められているんですね。 そこで、その感じやアイデアを今回、いただきました。かといってベタベタな情感のドラマにしているわけでありません。非常にドライな部分もあります。でも、主人公たちの情感が乗っているという意味で、ただのアクションシーンになっていない点が面白いと思っています。
――『神霊狩/GHOST HOUND』の方は、ジャンルが少しテーマっぽいというかスピリチュアルアニメーションと名付けられています。石川 小中(千昭)さんというと『serial experiment lain』のイメージがあると思います。その意味で、この世界は小中さんにとって得意中の得意だと思います。 その得意な世界から見た士郎正宗作品は、こういうものだと表現していますので、第1話の冒頭シーンから、こういうことかなっていう匂いはしてきますね。 みなさんにこの作品を全部ご覧いただいたとき、「スピリチュアルアニメーション」や「神霊狩/GHOST HOUND」のタイトルの意味が見えてくるのが、一番いいんじゃないかと思います。 ――『EX MACHINA-エクスマキナ-』の方の特徴といえば3DCGによるアニメーションなわけですが、今回、デュナンが着ている服は、有名なブランドの方がデザインされています。 荒牧 プラダという有名なブランドのデザイナー、ミウッチャ・プラダさんにデザインしていただきました。オーナーでもあるわけですが、彼女に監修していただいて制作しています。 ――過去にも、アニメーション映画で有名なデザイナーがアニメーション用にデザインして登場するというのがよくありました。でも、意外と作品の世界観とちょっと浮いてしまうことがあったと思います。でも、今回は本当にスムーズに、すんなり作品世界に溶け込んでいます。それは3Dの特徴だったりすのでしょうか? 荒牧 そこまで3DCGで表現できるようになってきたんだと思います。洋服の質感やしわの感じまで再現できるようになって。 逆に今回は、ブランドのオーナーでもあるデザイナーにデザインの提供から監修までしていただいたので、こちらとしてももクオリティを上げなきゃいけないということもありました。 その辺は、作品にとってもいい効果を得られたと思っています。逆に洋服だけが浮かないよう心がけ、キャラクターの表現をどんどん上げていたのですが、着せてみると意外とすんなり合っていたので、ここまで来たんだなという気がしましたね。 ―― Producton I.G としても、CGはある意味十八番ですから、いかがですか? こういうお話を聞いて。 石川 3DCGアニメーションは継続していくことが、すごく大切だと思うんですね。結局、(止めてしまうと)技術がそこで止まってしまって、それがもったいないんです。 作品を作り続けることでスタッフのスキルが上がっていくので、そういう意味では『EX MACHINA-エクスマキナ-』は『APPLESEED』よりもいいものになっていると予感させますね。 ――同じ士郎正宗作品ですが、片方は3Dで、今回はあえて2Dと言わせていただきますが、『神霊狩/GHOST HOUND』のほうにも3Dは使用されているんですよね。 石川 というか、3Dと2Dの融合に関しては、違和感なく映像で表現しています。士郎正宗さんは、日本のアニメーターの持っている表現力や動かす力をものすごく評価されています。アニメーターさんの表現力を最大限に活かせるような作品を作ってほしいというメッセージも込めて、本作には取り組まれていらっしゃったので、2Dも大切にしています。
――荒牧監督は、もともと2Dのアニメーションを制作されていらっしゃるので、その魅力は十分ご存じだと思いますが、逆に3D、モーションキャプチャーを使った映像の面白さは、どんなところにあるのでしょうか? 荒牧 僕も2Dを長くやってきましたので、別に2Dに代わるものとして3Dをやっているわけではありません。 3Dは3Dとして、作品のなかにあってアニメーションのテイストをどこまで入れることができるのかを、すごく試行錯誤しながら行っています。 2Dアニメーションの代用品だったり、逆にすごくリアルに描いていくこともできるのですが、そういうことではなく、これが自分の(映像の)完成形を目指して制作に取り組んでいます。 ですので、2Dのアニメーションとは違うものとしてご覧いただけるとうれしいなと思います。 その過程でモーションキャプチャーを行う作業も入るわけですが、2Dだとアニメーターさんに付けてもらった演技を映像にしていくのですが、モーションキャプチャーの場合、役者さんに考えてもらった演技や芝居を取り込ませていただくというかたちで行っています。 ですので、僕らも現場で役者が演じる芝居を見て驚いたり、こういう解釈もあるんだ、と思って採用する、ある種のライブ感があるので、そういうところは面白いなと思います。 ――そこも含めて映像で楽むと、二重三重に楽しみが増える気がします。お時間が短くて申し訳ありませんが、最後に士郎正宗作品の映像化にあたって、難しさももちろんあるかとは思いますが、その醍醐味を教えていただければ幸いです。 石川 士郎正宗さんの人物像を語るのは、ちょっと失礼かもしれませんが、士郎さんは、本当に他人に優しくて、自分に厳しい方だと思います。 他人に優しい分、自分に厳しくて。なおかつ作った作品に対する評価が厳しいんです。そこが、作品を作っているスタッフもそうでしょうし、士郎さん自身とお会いしてお話しするとき緊張するところでもあります。 作品に対する評価がものすごく高い基準にあるので、そこの信用を勝ち取るというか、一緒に仕事ができるのは、作った作品が、今後の士郎さんとの関係を結んでいるからだと思います。そういう意味において、作った作品が I.G と士郎さんの関係を結んでいると思います。 荒牧 先ほど石川社長からもありましたが、(士郎正宗さんは)現場のスタッフが力を出せることを第一に考えてくれる方なんです。自分の原作ではこうだけど、映画としてより良くなるならこう変えてもいいよ、ということを、僕らもびっくりするようなレベルで、話してくれるんですね。 たとえば主人公たちに関わることでの設定でも、こう変えてもいいよ、といったかたちで。もちろん、士郎さんのなかでもいろいろと考えたうえでのことだとは思いますが、意外とさらりとおっしゃっていただけて、逆にこちらがびっくりする。 でも、それはちゃんと映画のことや、スタッフのことを考えてくださっておっしゃってくれているんだな、ということがよく分かるんです。そういったことを、いろいろなレベルでアドバイスしてくださるので、もっと大きなものを見ているんだな、という気がすごくします。 そのうえで、レベルが高いものを目指されているのは間違いないので、それに対してこちらも応えないといけないな、という気になりますし、やりがいがあります。 ――コミックだけではない、士郎正宗さんの作品世界を映像で楽しめるわけですね。時間が短くて申し訳ないのですが、今日のお話を踏まえ、よろしければ、10月から始まります『神霊狩/GHOST HOUND』と『EX MACHINA-エクスマキナ-』をお楽しみいただければと思います。ありがとうございました。
プロデュース:ジョン・ウー
原作:士郎正宗(青心社刊) 監督:荒牧伸志 音楽監修:細野晴臣 衣裳デザイン:MIUCCIA PRADA(two of Deunan's costumes) テーマ曲:「RESCUE」HASYMO(細野晴臣・坂本龍一・高橋幸宏) http://www.exmachina.jp 10.20 ROADSHOW (C)2007 士郎正宗/青心社・EX MACHINAフィルムパートナーズ |
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